音引き
「おとひき」ではなく、「おんびき」と読みます。
「あー」とか「えー」の、「ー」のことです。
「棒引き」などといったりもしますが、私はずっとこれのことを「伸ばし棒」だと思っていました。
問題は外来語の語尾に「ー」がくる場合です。
たとえば「コンピュータ」、「メンバ」、「ユーザ」などのように「ー」を書かないのをよく目にします。
しかし発音するときには「コンピューター」「メンバー」「ユーザー」という具合に、語尾を伸ばして読みますよね。
果たして外来語の語尾の「ー」は書くのが正解でしょうか。書かないのが正解でしょうか。
理系の人はこれを書かないクセがあるといいます。
ハイフンやマイナス、あるいは引き出し線などと誤解されるのを避けるためともいわれていますが、実際のところどうなんでしょう。
日本工業規格(JIS)の規格票の様式及び作成方法(規格番号JISZ8301)では以下のように決められています。
外来語の表記に語尾の長音記号を省く場合の原則
a) その言葉が3音以上の場合には、語尾に長音記号を付けない。
例: エレベータ(elevator)b) その言葉が2音以下の場合には、語尾に長音記号を付ける。
例: カー(car)、カバー(cover)c) 複合の語は、それぞれの成分語について、上記 a) 又は b) を適用する。
例: モータカー(motor car)d) 上記 a) ~ c) による場合で、長音符号を書き表す音(例1)、はねる音(例2)、及びつまる音(例3)は、それぞれ1音と認め、よう(拗)音(例4)は1音と認めない。
例1: テーパ(taper)
例2: ダンパ(damper)
例3: ニッパ(nipper)
例4: シャワー(shower)
となっています。
森博嗣というミステリ作家は工学系の人間らしく、彼の小説では外来語の語尾の「ー」は片っ端から省略していて笑えます。
たとえば。
ヘリコプタァ
ハンバーガ
シャッタ
ポスタ
コピィ
…いくらなんでもやりすぎでは(笑)。
「ヘリコプタァ」って明らかにおかしいし。
「コピィ」って、2音は長音をつけるんだから「コピー」でいいでしょ。
小説は学術書じゃないんだから。