舞台でマジック

昔のブログに書いていた演劇関係の記事をこちらに移したんですが、さいきん演劇ネタの記事を書いてないなあと思ったので久々に書いてみました。


私はよく舞台でマジックをやりますが、結局、手っ取り早いんですよ。
キャラ的にも、演出的にも。

舞台上で不思議な現象が起こるとお客さんの集中を一気に集めることができるので、シーンを引き締めることもできます。
ただしお客さんがその現象を見てくれてないと意味がないので、「なんかやってるな」程度のそぶりを見せておきます。

私が実際に舞台でやったのは、何もない空中から一万円札を取り出す、というものでした。
これは何もない空中で何かをつかむような動作を数回したあと、その握った手から一万円札を取り出します。


なにも人がマジックをしてみせなくても物理現象的にありえないことが起こればそれはマジックなわけですから、舞台装置や小道具などに仕掛けを作っておいてもいいわけです。
あらかじめ舞台に仕掛けを作っておけるのですから、ある程度、大がかりなマジックもできます。

たとえば、主人公が誰かに追われているシーンがあるとします。
逃げてきた場所は行き止まり。
そこにあったダンボール箱に身を隠します。
そこへ追っ手が現れダンボールを調べるが中は空っぽ。といった具合です。

この場合、ダンボールにいくらでもタネを仕掛けることが可能です。
たとえば、お客さんからは見えない背面に穴を開けておくわけです。
マジックショーではありませんから、あらかじめお客さんにダンボール箱を改める必要はありませんので、死角になってさえいれば穴を開けようが何をしようがかまいません。

追っ手が箱を調べるときには、バットで箱を殴りつぶすなど、箱の原形をとどめない方法で中に人がいないことを確認させます。
そうすれば背面の穴を隠すことができますし、なによりインパクトがあります。

バットを振り上げた瞬間「危ない!」と思わせておいて、箱がペシャンコになるとお客さんはきっと驚くはずです。
箱という、逃げ場のないところに閉じ込められた人間が消えたのですから。
「人が入ってるはずなのに…」

しかしそれは先入観のなせるワザ。
「~のはずなのに」という常識を破るところにマジック最大の楽しみがあります。
ダンボール箱が、何の前ふりもなく無造作に舞台に置かれていたところで、誰も裏に穴が開いているとは思わないはずです。


マジックを人前でやることを「演技する」といいます。
つまり、役者が演技をするのと同じで、マジシャンも「人に見せる」演技をするわけです。

話しながらやるマジックの場合は話術も要求されますから、エチュード的な練習にもなります。
またテクニックを要するマジックの場合、慣れていないと見せる相手がたとえ知っている人でもかなり緊張します。
万が一失敗したときのアドリブ力も要求されるわけです。


台本と演出家が許せば、ぜひ舞台にマジックを取り入れてみることをオススメします。

コメント

そんなマジックのある舞台、見たいです!
楽しみにしてます!

いやいや、私に言われてもうちの劇団はもう消滅してますので他の劇団さんにお願いしてみてください。
もし私が他の劇団に出演することがあれば可能性はなくもないですが。

ところで、どちらさん?

コメントを投稿

※公開されません。管理者のみに通知されます。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL

※トラックバック時の注意

» 心にうつりゆく由無しごと「泣かせる芝居より、笑わせる芝居」 Tracked on 2008.01.08 18:12

人に感動を与えたいと思うのは、演じる側の誰しもが望むことです。 よって、演じる側...