それでもボクはやってない

観てきました。
周防正行監督・脚本の裁判モノです。
「Shall we ダンス?」の監督さんですからさぞ面白い映画かと思いきや、笑いのシーンはまったくない、社会派の映画だったのです。

一人のフリーターが電車で痴漢に間違われ逮捕される。
しかし彼はやってないと言い通し、裁判沙汰となっても否認を続ける。
やってないのだから当然だ。
彼の友達や元恋人、母親や弁護士、同じく痴漢冤罪で有罪となった人などが協力して一致団結し、法廷に臨む。
さて、審理の行方は…といった内容。

「疑わしきは罰せず」ではなく、「疑わしいからとりあえず捕まえておけ」とでもいうべき現在の日本の司法制度。
そんな現状を如実に描いた作品です。

主人公をわが身に置き換えて観るのでずっと緊張しっぱなしでした。
映画を緊張し続けながら観るなんてのはそうそうないでしょう。
電車で痴漢に間違われるなんて自分とは無縁の世界では決してなく、いつでも自分が主人公の立場になり得るからです。

映画が終わった後、エンドロールが流れると席を立つ人が結構いますが、この映画ではすぐに立ち上がる人はいませんでした。
しばらくしてから一人立ち、エンドロールが終わりかける頃にまた一人立ったくらいです。
小さな映画館で、もともと十数名しか観客はいなかったわけですが。

それほど、見終わったあとにいろいろ考えてしまう映画だったのです。

もしあなたが痴漢に間違われて捕まり、無実を訴え続けたとしても、無罪となる確率はたったの3%だそうです。
痴漢の被害で苦しんでいる女性は多いと思いますが、痴漢冤罪で苦しんでいる男性も決して少なくないのです。

たいへん面白く(笑えるという意味ではなく)、勉強になる映画でした。

「それでもボクはやってない」公式サイト

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