プロの劇団とは何か

演劇をやる人間が必ず通る道として、「プロの劇団とは何か」という話題があります。

プロとはもちろんプロフェッショナルのことで、平たく言えば「それで食べている人」のことです。
それに対してアマチュアは「趣味や余技として行う人」のことです。
我々の劇団は社会人が余暇を利用して演劇を楽しむ劇団としてハナからプロ志向ではないと謳っていますので、我々の劇団はもちろん後者にあたるというわけです。


では、一般的に趣味や余技というのはどういったものがあるかというと、ドライブ、旅行、釣り、ゴルフ、読書、映画鑑賞、音楽鑑賞といったものがありますが、これらはみな自分の満足や楽しみのためにお金を使うわけです。


しかし演劇では自分にとって満足のいくものができればそれでいいのかというと、答えはノーです。


もちろん、趣味としてやるからには自分たちが楽しくなければ意味がないわけですが、最終的にお客さんからお金を戴いて見せる以上、「お客さんが」満足しなければならないというわけです。

ただし、お客さんにすら見せず、自分たちだけが集まって、自分たちだけで演技することを楽しむならば、自己満足で一向に構わないと思います。
好きなことをやっていい。

しかしそれでは最終的に自分が満足するには至らないわけで、趣味として矛盾が生じます。
「演技」する以上、やはり誰かに観せることを前提としてやるわけですから。
つまり、演劇は人前で見せてナンボというわけです。


自己満足な演劇は演劇ではない、と明言してしまいましょう。


一般的に「プロ」というと職業的な意味合いが絡んできます。
つまり、生きていくための手段、食べていくだけの収入があってこそプロといえるわけです。

しかし我々のような劇団は、毎回少ない予算を切り詰めながらやってようやく次回への繰越金がわずかながら残るという財政状況ですので、とてもその収入で食べていくことなど不可能です。
それゆえに我々の劇団はプロではなく、アマチュア劇団であるということになるわけです。


しかし私は一般向けに「アマチュア」という単語を用いているだけで、やはりお客さんに対して「見せるものを作る」という意識がある以上、そこは「プロ意識」という考えです。

「アマチュアだけどプロ意識」という変な表現を最近までしていたのですが、「職人」という肩書きはどうでしょう?

私個人の意見ですが、職人ならばある種のこだわりがありそうで、特にお金に左右されることもなさそうなイメージがします。
これならばプロアマ問わず、演劇に対してそれなりの技術を発揮する人ということで、一般的にも充分意味が通じそうということで、「演劇職人」という肩書きを名乗ろうかどうしようかというところです。


一般的な「プロ劇団」というのは、そこそこ名が売れ、スポンサーがついて大きな金が動き、それにつれて規模も大きくならざるを得ずいろんな面で小回りがきかなくなってしまうのではないでしょうか。

「これでプロか?」と思わせるようなお粗末な演技をする役者、何をやりたいのかさっぱり伝わってこない下手な演出がプロとして大きな劇場でやっていたりします。

これを「プロ」というにはいささか抵抗があります。
収入のため、スポンサーのために演技の事は二の次。
つまり商業演劇たる所以がここにあると思います。


逆に、アマチュアであるが演技が非常にうまい役者、見せ方がうまい演出家も大勢います。
こういった人たちを敢えて「プロ」と呼ぶのはやぶさかではないし、もちろん大舞台でも充分通用すると思います。

つまり、職業的な(食べていくための手段としての)区分としてプロ、アマと呼び分けるのは適切ではなく、技術的に優れているかどうか、お客さんを楽しませることができるかどうかという見方に立って、我々はたとえ趣味としての劇団ではあっても、プロ意識をもった劇団と自負したいと思い、今までも、そしてこれからもやっていきたいと思うわけです。

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